呼吸調整の心理的、生理的研究②

C. 呼気時間を長くする呼吸

・そもそも吸気時間と呼気時間は等しくはなく、安静時であれば吸気時間より呼気時間のほうが長く、さらに呼気後から次の吸気が開始されるまでには短いポーズ時間がある。このような呼気と吸気の非対称に焦点を当て、それを操作した実験がある。

①吸気2秒、呼気8秒する群、②吸気8秒、呼気2秒する群、③それぞれ等しく5秒ずつで行う群 で比較した結果、

①の群の被験者が他の群に比べて、皮膚電気反応の値が有意に低かった。 Cappo & Holmes 1984

・同様に鈴木ら[2000]が行った研究においても、呼気を重視し、吸気時間よりも呼気時間を長くすることが、ゆっくりとしたテンポで呼吸させることと同様に副交感神経優位な心理生理学的に健康な状態をもたらすことが出来るとした。

 

 

2) 胸式、腹式呼吸

・胸式呼吸を行ったときは体温が低下したが、腹式呼吸を行ったときには体温は低下することなく、安定していた。Becon & Poppen 1985

・腹式呼吸では僧帽筋の緊張が低下したが、胸式呼吸では筋緊張が増加した。Boyer & Poppen 1995

腹式呼吸はリラックス状態を引き起こすものであり、逆に胸式呼吸は整理的覚醒を高めるものであるといえる。

『身体心理学』