”スポーツのプロ化、試合スケジュールの過密化、パフォーマンスの急激な変化とそれに伴うトレーニングの高度な専門化は、伝統的な期分けの概念とコーチや競技者の成功の経験則との間に、矛盾を生んでいることも事実である。
また、そのような競技スポーツ環境の変化は、従来のものに比較して、より短期のサイクルで構成されるブロックピリオダイゼーション(block periodization)という概念を生んだ。
図 9 はそれを図式化したものであるが、 6~12 週間を 1 つのサイクルとし、その期間内において、
●基礎的な体力・スキルの養成(Accumulation phase: 2~6 週間)
●種目特性にマッチした能力の向上(Transmutation phase: 2~4 週間)
●競技形式でのトライアルまたは競技会において、そのサイクルにおける最高パフォーマンスの発揮(Realization phase: 8~15日間)
をそれぞれ目的とするトレーニングステージが形成される。
このようなピリオダイゼーションモデルは、体力面および技術面がすでにハイレベルにあり、過密な試合スケジュールの中、年間を通して高いレベルのパフォーマンスの達成を要求されるトップアスリートにとっては有効であろう。
それに対し、身体作りやスキルの向上に時間をかけなければならないレベルの選手に対しては、ブロックピリオダイゼーションよりも、従来型の年間に 1 ~ 3 のピークコンディションの形成をねらう、長めのサイクルによるピリオダイゼーションモデルが適しているように思われる。
『新連載シリーズ「プログラムデザイン」に向けて ~アスリートの身体組成・筋機能評価とプログラムデザイン~』 金久 博昭
https://nsca-japan.or.jp/22_member/database/backnumber/vol_19/19_1/19_1_02-10.pdfより
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