主な電解質

ナトリウム:

ナトリウム sodium, Na;Na+ は生体に不可欠な無機質の一種で、細胞外液の主な構成イオンである。成人の体内に約100g存在し、その約50%が細胞外液に、約40%が炭酸塩、リン酸塩として骨に存在し、他は細胞内液に含まれる。主な機能に体液浸透圧の保持、体液pHの維持、神経の電気的活動作用、水やブドウ糖の吸収などがあり、筋肉、神経の興奮抑制、骨形成などに関与する

塩化ナトリウム(食塩)としての摂取目標は10g/日以下とされ、過剰摂取は高血圧症の危険因子となる。ナトリウム代謝では主にアルドステロン、バソプレシン、腎糸球体濾過量、食塩摂取量などが調節因子となる。

カリウム:

カリウム potassium, K;K+ はナトリウムと同族のアルカリ金属で、全ての細胞に含まれる無機質であり、生体に必要不可欠な元素である。細胞内液に高濃度に存在し、その分布は細胞内液に約90%、骨内に約8%、細胞外液に約2%である。カリウムはナトリウムとともに体液浸透圧や酸塩基平衡の維持に関与する。また、神経、筋活動に必要とされ、心筋の収縮に重要な役割を果たす

慢性腎炎、尿毒症では高カリウム血症が起きる。反対に副腎皮質機能亢進症などでは低カリウム血症が起き、筋の興奮性が低下、心筋の伝達に異常を来す。体タンパク質が崩壊すると排尿によるカリウム排泄量が増加する。カリウムは植物性食品に多く含まれ、通常の食事では摂取量の不足はない。カリウム代謝はアルドステロン、腎糸球体濾過量、カリウム摂取量などに規定される。

カルシウム:

カルシウム Ca;Ca2+ は体内に最も多く存在する無機質で、ほとんどが骨、歯に存在する。日本人のカルシウム所要量は600mg/日とされ、慢性の欠乏は下痢などによっても起こるが、骨を脆くし、骨折を招き、歯の発育、成長を妨げる。またカルシウムは血液pHの維持、血液凝固作用、心筋の収縮作用にも関与する

血中のカルシウム濃度が急激に低下すると四肢にテタニーによる攣縮が起きる。カルシウム代謝にはカルシウム摂取量の他、副甲状腺ホルモン、腎機能、ビタミンD代謝が関与する。低カルシウム血症はカルシウム摂取不足より副甲状腺ホルモンの欠乏に起因することが多く、またカルシウム吸収を高めるビタミンDの欠乏を伴うことが多いため、くる病(佝僂病)を引き起こしやすい。副甲状腺ホルモンが過剰であれば、高カルシウム血症が発生する。カルシウムに対しリンが過剰である時にはカルシウムの吸収は妨げられる。

マグネシウム:

マグネシウム Mg;Mg2+ は生体に不可欠な無機質の1つで、生体内では約半量がリン酸塩として骨に存在する。アデノシン三リン酸(ATP)の関与する酸素反応、リン酸結合の化合物に作用する酵素反応を促進し、エネルギーを伝達する反応系、さらに刺激による神経の興奮抑制、刺激による筋の興奮促進に関与する

植物の葉緑素成分、動物の筋などに存在し、通常の食事では摂取量の不足は起こりにくいが、欠乏するとカルシウム代謝を妨げ、骨形成に障害を起こす。乳幼児ではマグネシウム吸収不全などによる低マグネシウム血症により痙攣が起こることがある。

「電解質代謝」より

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