Archive for the ‘体のはたらき’ Category

姿勢調節機能の加齢変化と3つの運動単位

12月 2, 2015

●姿勢調節機能の加齢変化

1.視覚
2.前庭覚
3.体性感覚

4.神経系

・感覚神経については神経の伝達速度の遅延(神経に随走する血管系の障害による虚血変化、神経鞘の肥大、有髄神経における節間距離の短縮、ニューロン自体の萎縮性、退行性変化、

・運動神経においては神経線維数が生理的に減少(近位部より遠位部に分布する神経に著しく認められる。70歳以上の高齢者において軸索変性が高頻度に認められる。)

5.筋組織

・II型繊維の萎縮により、絶対筋力や瞬発力が低下する(20~30代のII型繊維の割合が60%であるのに対し、60歳以上では40%以下になる)。http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1748-1716.1983.tb00024.x/abstract

・筋自体の変性
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/839043

・筋を支配するモーターユニット数の減少によって引き起こされる筋断面積の減少、筋繊維数の減少、神経分布密度の減少。http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673673927359

・筋に分布する毛細血管数も低下し筋持久力の低下も認められる。

6.骨、アラインメント

・高齢女性に頻発する変形性関節症
・脊柱の変形、関節可動域制限、
・重力筋における筋緊張の低下によって立位時のアラインメントはさまざまな方向に偏倚(へんい=かたよること)する。

7.高次神経機能

『姿勢調節障害の理学療法』 奈良勲、内山靖 p256

 

 

筋繊維は大きくtype1(遅筋)、type2(速筋)に分けられますが、

それを支配する運動単位も同様で、

・疲労抵抗性の高いS型運動単位
・速い収縮をするが疲労抵抗性の低いFF運動単位
・速い収縮をし、疲労抵抗性も高いFR運動単位

の3つの型があります。

んでもって、加齢と共に減少していくのはFF運動単位とtype2(速筋)。

ラットにおいては後肢において運動神経の脱落がおこり、前肢では起こらず、なぜF型運動神経が優先して死滅していくのか理由は不明とのことです。

『筋力をデザインする』吉岡利忠 他

 

 

脳も神経も筋肉も可塑性(条件に応じて変化する能力)の高いので、単純に使わないから衰えていく、ではどんどん速筋を使えば良いじゃないかくのではないかと思うのですが、変形性関節症、脊柱の変形、関節可動域制限、アラインメントの偏倚などが足を引っ張ってしまうだけでも思うように使えなくなると思うんですよね。

脳、神経、筋肉、血管、骨、内臓・・・

結局のところ、すべての調和が取れていないと成立しないんじゃないかなと。

この辺り、もう少し詳しく調べてみます。

つづく。

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呼吸の属性

8月 10, 2012

基本的にリラックスは腹式、呼気、順息優位で深く遅く長く。

力発揮は短時間で出力しなければいけないので、胸腹どちらもの圧を上げ、強く早く短いものになると考えていいと思います。

  1. 胸息 - 腹息: 胸式=緊張 腹式=リラックス どちらが好ましいかは目的による。両方を意識的に行えば呼吸量は最大となる。
  2. 呼息 - 吸息: 吸息は交感神経、呼息は副交感神経の支配にあると言われている。
  3. 鼻息 - 口息
  4. 長息 - 短息: 長息は鎮静、短息は力発揮。短息は強息で、太息でなければならない。
  5. 深息 - 浅息
  6. 強息 - 弱息
  7. 太息 - 細息
  8. 速息 - 遅息
  9. 順息 - 逆息: 順息とは吸気の時に腹がふくらみ、呼気の時に腹がへこむ(ドローイン、腹式呼吸)。逆息とは吸気の時に腹がへこみ、呼気の時に腹がふくらむ(逆腹式呼吸)。
  10. 閉息 - 開息: 閉息は息を吸入して止める。閉息は緊張を生むが、解除したときには普段以上のリラックスを得ることが出来る。開息は止めない。吐ききったところで吸気に移るが、その間(息間)は止めるのではなく、開いたままにしておく。吸気に関しても息間は開いたままにしておく。
  11. 発声息 - 無声息
  12. リズム息 - ノンリズム息
  13. イメージ息 - ノンイメージ息

参考『息のしかた』 春木豊 本間生夫

呼吸調整の心理的、生理的研究②

4月 16, 2012

C. 呼気時間を長くする呼吸

・そもそも吸気時間と呼気時間は等しくはなく、安静時であれば吸気時間より呼気時間のほうが長く、さらに呼気後から次の吸気が開始されるまでには短いポーズ時間がある。このような呼気と吸気の非対称に焦点を当て、それを操作した実験がある。

①吸気2秒、呼気8秒する群、②吸気8秒、呼気2秒する群、③それぞれ等しく5秒ずつで行う群 で比較した結果、

①の群の被験者が他の群に比べて、皮膚電気反応の値が有意に低かった。 Cappo & Holmes 1984

・同様に鈴木ら[2000]が行った研究においても、呼気を重視し、吸気時間よりも呼気時間を長くすることが、ゆっくりとしたテンポで呼吸させることと同様に副交感神経優位な心理生理学的に健康な状態をもたらすことが出来るとした。

 

 

2) 胸式、腹式呼吸

・胸式呼吸を行ったときは体温が低下したが、腹式呼吸を行ったときには体温は低下することなく、安定していた。Becon & Poppen 1985

・腹式呼吸では僧帽筋の緊張が低下したが、胸式呼吸では筋緊張が増加した。Boyer & Poppen 1995

腹式呼吸はリラックス状態を引き起こすものであり、逆に胸式呼吸は整理的覚醒を高めるものであるといえる。

『身体心理学』

呼吸調整の心理的、生理的研究①

4月 15, 2012

A. ゆっくりとした呼吸

・大学生を対象にした研究で、ゆっくりとしたテンポの呼吸(一分間に10呼吸)、速い呼吸(一分間に20回)を行ってもらい、呼吸調整前後に4つの心理質問紙に回答してもらった結果、ゆっくりとした呼吸を行った場合の方が、速く呼吸を行った場合よりも不安得点が低く、リラクゼーション得点が高かった。 Eisen et al., 1990

・ゆっくりとした呼吸は不安を低下させ、リラクセーションを増加させる機能がある。 Eisen et al., 1990

・ゆっくりとした呼吸がリラックス状態をもたらす。Ring et al., 1999

・ゆっくりとした呼吸時に心拍の変動性が高まり、副交感神経の活動が活発になる。Ring et al., 1999

・ゆっくりとした呼吸を行うことによって、血圧が低下する。 Allen &Crowell, 1990
・皮膚電気反応や指突容積脈波の値から、生理学的覚醒が低下する McCaul et al., 1979

 

 

B. 速い呼吸

・速いテンポの呼吸をしたとき心拍変動は低下した。(*一般的にストレス事態では心拍変動が減少することが確認されている)

テンポを指定せず自発的呼吸を行う条件では個人差が大きかったが、呼吸調整を行った場合と同じように、自発的呼吸のテンポが速いと心拍変動は低下する。 Stark et al., 2000

・ゆっくりとした呼吸(1分間に8回)、速い呼吸(1分間に30回)、呼吸調整せず自発的呼吸する3群に分けて、2分間の安静時の後、割り当てられた課題を行い、その直後に電気ショックが与えられ、脅威状況における心拍変動の高周波成分の振り幅(HF)の変化を見た実験においては

ゆっくりとした呼吸→変化せず
速いテンポの呼吸、自発的呼吸→有意に減少した。 sakakibara & Hayano, 1996

HFは副交感神経機能を示す指標であるとされている[廣田ら, 1994]ことから、速いテンポの呼吸および自発的な呼吸は、ゆっくりとした呼吸と比べて、副交感神経を低下させる(覚醒させる機能を持つ)と考えられる。

『身体心理学』

換気中の筋活動

4月 14, 2012

換気の際には非常に多くの筋や関節が相互に作用しあっている。多くの異なる筋の作用が胸くう内容積の変化に対して同様の影響をもたらせている。

 

 

胸郭に付着する筋に課せられる複雑さと同時的要求を考えれば、多くの筋がかかわるという余剰性は非常に適応性に富み、敏感なシステムにとって必要なものである。横隔膜を除き、換気の筋は体幹、頸部、および上肢の運動のコントロールのような他の機能のために同時に使われるかもしれない。

 

 

●安静呼吸の筋(Muscle of quiet inspiration):

横隔膜、斜角筋群(前・中・後斜角筋)、肋間筋(外・内、最内肋間筋)

●強制吸息の筋(Muscle of forced inspiration):

上・下後鋸筋、長・短肋間挙筋、胸鎖乳突筋、広背筋、胸・頸腸肋筋、(脊柱起立筋)、小胸筋、大胸筋、前鋸筋、腰方形筋

●強制呼息の筋(Muscle of forced expiration)

腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)、胸横筋、肋間筋群

『骨格筋系のキネシオロジー』

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3月 18, 2012